Come on United!

アクセスカウンタ

zoom RSS おい(更新)休むなー! 【サッカー書評】

<<   作成日時 : 2016/09/30 15:35   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

 特に書く事もないので、頂いたまま溜まっていくサッカー漫画を消化していく(いつも本当にありがとうございます)。今回は3冊。それではキャプ翼連載再開までさようなら。


                                                                 


【Football Culture】フットボール書評 Books are Burning 第24回

 今回も友人がら頂いたものオンリー。このブログの延命に非常に協力してくれている彼の家の方角には足を向けて眠れない。



画像
ザ・サッカー(カンゼン)
大橋裕之


[あらすじ]


〔ザ・サッカー〕

 本田、香川、内田、ザック、中村俊輔っぽい人が出てくる短編集。内田少年とシンジ少年の不思議な記憶、旅先で本田(っぽい人)出会ったちょっと奇妙な出来事、ザック(っぽい人)が流された先で待っていた常識を超える人々。
画像
あまりサッカーとは関係のない、日常の中で起こる間抜けな超常現象の数々。


〔オリンピック奇想譚〕

 ムロフシ、アイ、キタジマ、タニリョウコ…日本を代表するオリンピアン達のおかしな日々。


〔遠浅の海 スポーツと私〕

 男三人、夏の恒例行事である海へ繰り出しての水泳。そこで大橋青年は死を意識する出来事に出逢う。思えば、スポーツとは無縁の人生であった。早々と助かろうとする努力を放棄した大橋は、ただただ無気力に海面を漂い続ける…。


[感想]

 『ザ・サッカー』と定冠詞まで付けて競技名をアピールしている割に、登場人物がサッカーボールを持っているか有名選手に似ているくらいで、殆どサッカーとは関係ない。おまけに同時収録されている作品も同傾向で、最後の短編などサッカーに関係しているのは「Jリーグが嫌いだった」という点のみ。一応、英題は『The Soccer and Other Works』なので、サッカー関連作品だけでない事はここで説明されているのだが。
 ともかく、ここまでこのコーナーで取り上げた作品としては、最もサッカーと関係のない異色作である…いや、『えらしこ』といい勝負か。

 どこまでギャグなのかアートなのかさっぱり境界線がわからないのだが、じわじわと効いてくるおかしみがある。所々、声を上げて笑ってしまった。特に本田、ザックあたりの話は秀逸であった。そして香川の扱いがさりげなく酷い。あと俊さんをモテない学生役にするのは大不正解。
 多分、業界からは凄く評価されてる人なんだろうなぁ…と思う。それは最後の短編の寂寥感と演出に象徴されていて、やけに印象に残る。衝撃的な体験をした男三人が、わけもなく部屋に集まってボーっとしてから帰る(それも同日に2回も)…というのは、ちょっといけてない感じの男の青春という感じで共感してしまった。
 『週休七日』に引き続き、サッカーとあまり(というかこっちは殆ど)関係のない作品を取り上げたが、これも間違いなくサッカー関連漫画であるので何の問題も無い。粗筋を書くのが楽だし。

 この絵、多分大橋先生は実在人物と関係ない、単なる悪役として書いたのだろうが…。
画像
 清武弘嗣にしか見えないのは私だけだろうか。



画像
68m 手原和憲 高校サッカー短編集(ビッグコミックス)
手原和憲


[あらすじ]


〔ベンチウォーマー〕

 試合には一人しか出られない、GKというポジション。上級生にも遠慮なく大声で指示をとばし、堅実なセービングをモットーとする同級生のクボに、高2の積極派キーパー・シンヤは定位置を奪えないままであった。
 しかし、全国の舞台での大敗から自信を失ったクボ。これをきっかけに、次第に2人の関係は逆転していく…。


〔Pinchkicker 〜あるいは走れない代打〜〕

 中学時代から2トップを組んできたタカとユージ(あぶない刑事…)。スピードと得点感覚に秀でたユージだったが、左足首の怪我を繰り返し、殆ど高校では試合に出ていない。相方のタカも、彼の不在で持ち味を発揮出来ていなかった。
 時間だけが過ぎていき、最後の選手権県予選。未だにダッシュする事すら出来ないユージは、ビハインドの状況でFKキッカーとしてチームのピンチを救う、というシナリオを描き、FKの練習を開始する。
画像
 高校生活でサッカーは終わりにする。悔いなくサッカーを辞めるためにも、この大会だけは何としても勝ちたいんだ。


〔ウノ・ゼロ〕

 9番を背負い、FWとして活躍する事を夢見ていた2年のニシザキ。だが、決定的にセンスが足りない。そんな彼を見ていたキャプテンのヒノは、監督にニシザキのCBへのコンバートを提案する。
 FWと違い、DFは一つのミスがチームの勝敗に直結する、重い責任を負うポジション。賞賛もされない地味な役回り、DFラインの先輩達からの容赦ない叱責。ニシザキは、どんどんこのポジションに対して投げやりになっていく。
 そんな中で迎えた試合にて、彼は耐え切れず強引なオーバーラップを仕掛け、見事ゴールを奪った。だが、ヒノはそれを喜ぶどころか、ニシザキの交代を命じたのであった。


〔老牛〕

 教員免許を取得し、母校のサッカー部を指導するために戻ってきた島野。そこでは、別人のように変わり果てた恩師・北監督の姿があった。人情派だったあの頃の面影はとうに消え失せ、選手のミスを容赦なく罵倒し、罰走と称して理不尽なトレーニングを強いている。
 当然、選手達は不満を募らせていく。就任から数年、そんな生徒達と監督との干渉役として苦心していた島野だが、老体の北監督の今年限りでの勇退、それに伴い自身の翌年の監督昇格が知らされていた。
 北監督がここまで変わり果てた理由は何なのだろう。そして、彼の指導は果たして生徒達に何も残さない、ただ勝利だけを望んだものだったのだろうか。島野は、大会へと臨みながら考えを巡らす。


〔68m〕

 サイドバックとして長年の現役生活を終えようとしている小野田。所属したのはJ2クラブばかりであり、派手な舞台とは無縁だったものの、サポーターに愛された幸せなサッカー人生だった。
 自分にとって最も印象に残っている選手は?そんな問いに、彼は迷わず1歳下の佐藤ヨシヒコの名を挙げた。かつて高校時代のチームメイトで、スピードとテクニックに長けたサイドバック。
 インタビュアーは困惑する。無理もない、ヨシヒコはネットで検索してようやく名前が出てくる程度の無名選手であった。彼のプロ生活は、JFLの企業チームで終わりを迎えているからだ。
 小野田は思い出す。彼との刺激的な高校サッカー生活を。そして、プロになって彼が呟いた意味深な言葉の数々、誰もがJ1クラブで華々しく活躍すると思っていた彼のサッカー人生を…。


[感想]

 惜しくも打ち切りを迎えた『夕空のクライフイズム』。その作者の手原和憲氏が、同作品連載前に発表した短編集。実は、今回マンガを提供してくれた(くれている)友人宅にてこの作品を読了済みである。
 しかし、その時はあまり時間がなかったせいか、今回じっくり読んでみてより深く作品の素晴らしさを実感する事が出来た。間違いなくこの単行本は傑作である。

 『クライフイズム』でもお馴染みとなったサッカー小ネタは当然この作品集でもお楽しみの一つだが、その数はそこまで多くない。控えGK、怪我をした選手、嫌々コンバートされたDF、高校サッカーのコーチ、J2生活の長いSBとJFLでも通用しなくなった元天才SB…と、ほかの作品ではまず主人公にはならないであろう人物達が、人間くさくもがきながらサッカーを続けていく様が描かれている。
 サッカーへの愛、そして確固たる哲学を持つ手原先生。その視点は普通なら見過ごされてしまうであろうポイントに置かれ、リアルなドラマを紡ぎ出す。サッカーを知らなくとも間違いなく楽しめると思うが、私のような人間には特に深く心に突き刺さった。

 特に素晴らしかったのは表題作「68m」。かわいらしく優男風のルックスであるヨシヒコは、才能に溢れ周囲の期待を集めていたにもかかわらず、自らの予言通りプロで通用しなかった。J1からJ2へ、更にはJFLでも戦力外になってしまう程転落していく。
 我々国内サッカーファンは、間違いなく“ヨシヒコ”を知っている。若くして将来を嘱望されながら、活躍出来ずに表舞台から姿を消していった選手達を。そんな慨視感ある彼の悲しい姿は、そのルックスも相まって余計に残酷に、哀れに映る。現在、日本のプロサッカー選手の引退時の平均年齢は26歳。余りに厳しい現実が、この作品からも浮き彫りになる。
 だが、彼らは不幸だったのだろうか?サッカーという競技が彼らを狂わせたのか?それは、選手一人一人に訊かねば到底わかるまい。少なくとも、引退した小野田と対面するヨシヒコは、とても良い顔をしている。二人の目指した場所はそう違わなかった。このヨシヒコの言葉から何を感じるかは、読者が判断すべきだろう。
 私は、このラストを読んで不覚にも視界が潤んでしまった。いつものように外でこの文を書いていたので、誤魔化すのが大変であった。素晴らしい作品である。サッカーが好きな人なら、迷わず読んでほしい。大満足。

 しかしこの画像、一時期やたらメシア(中村俊輔)スレで見たけど…。
画像
 この作品が出典だったのね。



画像
サポルト! 木更津女子サポ応援記(アース・スター コミックス)
高田桂


[あらすじ]

 千葉県木更津市。駅前は寂れ、人口減少の一途を辿る街。その駅前広場にて、室町花子は(未だ千葉県に多く生息する)ヤンキー娘・佐橋風夏によって自転車ごと連れ去られた。行き先は、ボンコスタジアム木更津。J2クラブ・木更津FCの本拠地である。
 風夏は、木更津ゴール裏に陣取るサポーター団体の一員だったのだ。サッカーに何の興味もなかった花子は、周囲の大音量での声援やピッチ上での試合の光景にただただ戸惑いながら、いつしか試合に引き込まれていく。
 転校生で英国からの帰国子女である熊倉あゆみもここに加わり、彼女達は、いつしかゴール裏の魔窟へと魅せられていった。ゴール裏は、世界一諦めの悪い場所。風夏の掛け声の下、彼女達はJ2の泥沼に嵌った地元クラブをサポートする事を決意したのであった。
画像
 初のアウェー遠征、ダービーマッチの相手である不倶戴天のライバル・幕張SCサポーターとのフットサル対決…全てが初めてで、刺激的な体験の連続。花子は、大嫌いだった地元を誇りに思える日が来るのだろうか。


[感想]

 ツイッターやpixivでも続々と国内サッカー関連のイラストをアップし、Jサポの中では高い知名度を誇る高田桂氏。そんな先生が描いたサッカー漫画、しかも女子サポ視点という斬新な切り口。今の私は距離を置いているのであまりよくわからないが、いわゆる“ドメサカまとめ”的文化の中では大いに盛り上がっていると予想する。
 私はこの作品をサッカーキングの公式アカウントにて知っており、当然非常に興味を持ったので普通に買おうと思っていた。そんな気持ちを予想したのか、友人が提供してくれたというわけだ。どれだけ私は甘えているのだろうか…。

 Jサポなら女子高生の初々しい気持ちを疑似体験して、初心に帰る事が出来る作品…さっきネット検索した際にそんな見出しが目に入ったが(クリックはしていない)、言い得て妙だと思う。自らもコアなJサポである高田先生だけあって、一度でもゴール裏で応援した経験のある人間ならば間違いなく大いに共感出来るであろうし、更に自分達国内サッカーファンが主張したかった事まで上手く盛り込んでくれている。かゆい所に手が届きまくっている作品なのだ。

 だが、私はあえてこの作品をサッカーやサポーターに偏見を持ったり、行動が理解出来ない人に読んでほしいと思う。
 この作品なら、そういった疑問に対する一つの回答になり得ると思うのだ。
 (ここ、一番主張したい点だったので文字を大きくしてみた)
画像
 ほらね?同じような意見でも、私のようなムサい男が10年近く暑苦しくて読みにくい文章を書き散らかすより、かわいくて若い女の子が言った方が目に入りやすいに決まっているのだ。

 あのね、ちょっと感動しているんですよ。ここまで共感出来る漫画作品があっていいのかと。主人公はサッカー選手ではない、サポーターだ。つまり、まさにこのランジェロと同じ立場なのである(性別、容姿、年齢、能力等は考慮しない)。それをさらに自身がサポーターである漫画家先生が描いているのだから、気に入らないはずがない。
 新たな展開を示唆する次巻への続き方も含め、実に高揚感のある読後感。まさにあの頃の初心に帰る事が出来る、新鮮だけど懐かしい気持ちを味あわせてくれる作品なのだ。期待通りどころか、期待以上の出来だった。
 内容紹介の文が非常に簡素だが、いちいち細かく説明しても野暮なだけだからである。とにかく読むべき。売れてほしいし、もっとメディア展開してほしいなぁ。
 ただ、ここで紹介してきた作品がどのような結末を迎えているかを考えると、不安なのも確かだ。私が気に入った作品は、ほぼ全て打ち切りか短期決着を強いられており、どれも作者の意図通りに終わっていない。せめてこの『サポルト』は理想的な形で完結してほしいものだが…。

 さて、ここまでこの作品を絶賛してきたように見える私だが、一点どうしても指摘しておかねばならない問題がある。これは、大いなる不満点だ。
 『サポルト』は、実際にJクラブとコラボし、オリジナルグッズ販売等を行った。『ガールズ&パンツァー』と水戸、『のうりん』と岐阜などの例を挙げるまでもなく、J2では日常的な光景である。
 だが、コラボ相手のクラブは、東京都調布市のクラブである東京ヴェルディであった。
サッカー応援女子描く「サポルト!」×東京ヴェルディのコラボチケット発売(ナタリー)
「サポルト! 木更津女子サポ応援記」と「東京ヴェルディ」がコラボレーション決定!(コミック アース・スター)
9/25(日)明治安田生命J2リーグ第33節ジェフユナイテッド千葉戦「サッカー漫画『サポルト!木更津女子サポ応援記』」とのコラボレーション企画実施のお知らせ(東京ヴェルディ)
 …あれ?木更津市って千葉県から東京都に移動したんだっけ?
 同じ房総半島にJリーグのクラブあるんですけど!しかも木更津FCと同じJ2だぞコラ!…というか、チャントの歌詞といいクラブの境遇といい、明らかに作品中の木更津FCはリアル世界のジェフユナイテッド千葉をモデルにしてるように感じるんだが…。
 一応、“高田先生がヴェルディサポだから”“ヴェルディは『とある科学の超電磁砲』『甘城ブリリアントパーク』などアニメコラボに積極的だから”というエクスキューズは付いているらしい。それでも私は納得いっていないが…房総半島と東京都下、あまりにも離れすぎちゃいませんかね。

 同時に、この一件は我がクラブがこの手のコラボに全く興味がないどころか、むしろ拒否しているのではないかという以前からの個人的な疑念を確信に変えてしまった。ラノベ原作アニメではやたらと千葉市が舞台の作品が多いが、全て千葉ロッテマリーンズにコラボを持っていかれている現状からもそれは明らかだ。そういう経営方針ならば別にそれはそれでいいけど、一抹の寂しさも感じるというのが本音。

 作品中には、千葉ダービーの相手として“幕張SC”なるJ2クラブも出てくる。こちらはクラブ名からもわかるようにまごう事なき千葉市のクラブで、次の巻ではこのクラブのサポーター女子高生3人とのライバル関係がクローズアップされていくのだろう。こっちの3人とコラボするという道が残されていないわけでもない。その可能性は限りなくゼロに近いが…。
 ちなみにこの3人は“幕張葉和高校”という偏差値の高い学校の生徒で、校名は間違いなく渋谷幕張と千葉英和から着想を得たものだろう(千葉英和は八千代市にあるんだけど)。関係ないが、渋幕は田中マルクス闘莉王、英和は名良橋晃という日本代表選手をそれぞれ輩出している。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
今回の更新は濃いですねぇ・・・
味スタに行ってきたのでサポルトの見本を読んで
「あーあるあるw」と思った私は神奈川県出身(爆)
ちなみに観戦仲間は木更津なので結構喜んでました。
高田先生もTwitterでつぶやいてましたけど
サポルト×ヴェルディというコラボで
ベンチから離れていた木更津出身の
眞紀人の同点弾でキレイにオチが決まりましたが
あの瞬間、私は見本を掲げてはしゃいでしまいましたw
ホントJEFともコラボして欲しいですよね
フクアリでのヴェルディ戦で!

そして大事な京都戦も行ってきました。
大事な試合であのような結果にはなりましたけど
なんですかねぇ・・・
結局次も足を運んでしまうんだなと思います。
私ももう若くはないのでゴール裏には行かないのですが
すしを
2016/10/10 01:12
すしをさん:
返信遅れて大変申し訳ないです!お待たせしました。

こんな感じでバタバタしているうちに過去最低順位でシーズンは終わり、アドは去り、遥也の去就も危うい状況…新監督に期待するしか無いんでしょうか。
とりあえず、長谷部さんがコーチで残ったのにはホッとしました。真っ先に契約更新の報をくれたヤマトには感謝ですね。勿論、他の残ってくれた選手にも。

味スタで配られた見本、私は友人に見せてもらいました。単行本入手した後でしたがw
私も木更津は幼い頃に通っていたので、ちょっと思い入れはありますね。
あー、マキトが決めたんでしたっけね。いいオチだ…今、彼はJR東日本の広告に出てますね。駅で見てびっくりしましたw
何か、ウチってそういうコラボを避けてるのかなぁといつも思ってしまいます。アニメ系のゲーフラも殆ど見た事無いし、サポもあんまりそういうのを受け入れてないのかな、と。
ランジェロ(すばやくない人)
2016/12/22 22:03

コメントする help

ニックネーム
本 文
おい(更新)休むなー! 【サッカー書評】 Come on United!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる